掲載日 初回投稿2006年04月15日
更新2006年04月15日
地蔵
ジラフ(giraffe)
じらふ
x x
その他

ホーン

2Way

12 (cm)

Addzest

SRT1252

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集まれ塩ビ管スピーカー

地蔵さんの新作塩ビ管スピーカー「ジラフ」 コメント(読みにくい時は文字のサイズを小にして下さい)

地蔵です。
お世話になっています。
新作ができましたので紹介します。
名前は「ジラフ(giraffe)」です。

形がちょっとキリンに似ているのでそう命名しました。
つい最近の関西オフ会に「地蔵2号改」を持って参加したのですが、
そこで痛切に感じたのが低音不足でした。
自分では充分低音が出ていると感じていたのですが、
他の方々のスピーカーと比べると、やはり不足していました。
ただ、12cmコアキシャルユニット(アゼストSRT1252)のおかげで
中・高音はきれいに出ているとのご評価いただきましたので、
このユニットを生かして、何とか低域を増強しようと考えました。

suisyuさんからは「ユニットをワイヤで引っ張って錘をつけても
それはユニットを塩ビ管に密着させる為だけの効果しかない。
ユニット自体にしっかりと重量物を密着させた方が良い。
あとユニットの後ろを絞ってバックロードをかけてみてはどうか。」
というアドバイスをいただきました。
またコニさんからもユニットにおもりを直接付け、
それをボルトでエンクロージャー背面まで貫通させ、
ナットで固定する方法を教えていただきました。
御両名の貴重なアドバイスを活かして今回改良しました。

また前作の地蔵2号改ではアルミの排気ダクトを使用していましたが、
低音を大音量で入力した際に、ビビリ音が出てしまい、
振動の制御が困難と判断し、今回アルミダクトはやめました。

それからやはりユニットは完全な上向きではなく45度上を向くように設計をしたかったので
(ユニットから出る直接音と反射音のバランスが良いと考えています)
VU100用の45度チーズを使用しました。

凄い!また進化しましたね!!

キリンにも似てますが、天体望遠鏡みたいでカッコイイですね!!
アルミダクトもカッコ良かったですけど、ビビリ音は気になりますよね。

いつも仕上げが綺麗ですね!
ユニットの背面にボルトを取り付け、おもりを1kg付けています。
ボルトは外側まで貫通させ、ソルボセインをかませてナットで固定しました。
(コニさんの「ポチ」やsuisyuさんの「S-104」などにみられる方式です)

さて低域増強策ですが、suisyuさんアドバイスのバックロードがよいと考え、
少し勉強しました。
すでに皆さんはご存知のことと思いますが、バックロードの利点はユニットのf0よりも
低い音を出せることだと思います。
私が使っているような12cmユニットでも設計次第では
25Hz?30Hzが出せるということです。

そこで参考にさせていただいたのが3Dスパイラルホーンの考案者の
Takenakaさんのページです。その中にヘルムホルツの共鳴算出式が載っていました。fh=(C/2π)×√(S/(V×L))という式です。
fhは共鳴周波数、Cは音速、Sは小さいほうのスロート面積、Vは空気室容積、
Lはホーンの最大長です。
この式からすれば、最低共鳴周波数fhをより低くもっていくためには、
入り口のスロート面積を小さく、空気室を大きく、ホーンを長くすることが必要となります。
低域は20Hzの後半から30Hz前半にピークをもって行きたかったので、
そうなるように設計しました。
「ジラフ」の場合、Sのスロート直径が3.2cm、Vの容積が5100立方cm、Lが約60cmで、
最低共振周波数ピークfhはおおよそ28Hzとなります。

*我々塩ビ管使いが計算しやすいように工夫したエクセル表を作りましたので
添付します。ご希望の方はご活用下さい。

このユニットの固定法はコニさんでお馴染みですね!!

地蔵さん、計算表まで公開して頂きありがとうございます。
遠慮なく使わせて頂きます。m(__)m


さて次はホーンをどうやって作るかです。
スパイラル3Dホーンは省スペースで理想的なのは理解できるのですが、
作るのが難しそうです。時間もかかりそうな雰囲気です。
不器用な私には無理と判断しました。もっと簡単にホーンができないか?
考えに考えましたが、ある時ふっと思いついたのが工事現場によく置いている
円錐形の「カラーコーン」です。「これだ!」
と思わず手をたたいて喜んでしまいました。
入手のしやすさ、加工のしやすさ、大きさ、ホーンの開き具合ともぴったりでした。
ホームセンターで1個298円という価格も魅力です。
スロート開口部となる細手の塩ビ管とカラーコーンを組み合わせます。
カラーコーンと塩ビ管の接合部は、これまたホームセンターに売っているカラーコーンに
電球などを取り付けるためのソケットを使用します。
ホーンの音道を作っておいて、最後に塩ビ管の底から差し込みました。
最後にユニットが収まっている頭部を差し込んで出来上がりです。

*構造については簡単な手書きの設計概略図を添付しますのでご参照ください。

出ましたね?カラーコーン!!

以前にも2人程使った方いらっしゃいました。

お手軽バックロードで良いですよね!
完成して、音を出してみました。
これまで何度も聞いてきたなじみの音楽CDです。
お?!! 低音が出ている! ほっとひと安心です。

次にチェックCDをかけてみました。
チェックできる周波数が20Hz、25Hz、31.5Hz、40Hz、50Hz・・・と限られていますが、
仕方ないです。
20Hzはコーン紙はぶるぶる震えていますが音は聞こえませんでした。
25Hzは音というよりは地鳴りのような、空気圧のようなものを感じました。
31.5Hzは重低音として、いわゆる音としてきちんと聞こえました。
おおよそ設計どおりだったかなと思っております。
本当は測定機材を使って波形を測定すべきなのでしょうが、
なにぶん機材が高く、所有しておりませんのでこの程度のチェックが精一杯です。
測定に関しては今後の課題です。

落ち着いたところで、管理人さん推薦のブロンバーグの最新アルバム
「DownrightUpright」をかけてみました。
一曲目の出だしからベースがすごい迫力でせまってきました。
リズミカルなノリノリのウッドベースです。脳天が揺さぶられるような感じです。
他にも聞きなれたCDを次々と聞きました。
低域が充実すれば音楽性がこんなに高まるのかと改めて思いました。

ただ冷静になって振り返れば、低音の量感は圧倒的というわけではなく、
きちんと出ているな、という程度です。
まだまだsuisyuさんの怒涛の重低音の足元にも及びません。
このあたりが今後の改良点になると思います。
塩ビ管の扱いに慣れた方なら比較的簡単にバックロードホーンが製作できますので、
ぜひ一度試してみてください。
色を塗ると全然カラーコーンというのが分からないですね!
低音も結構出ていて良さそうですね!!

ブロンバーグは気に入って頂けて良かったです。
ウッドベースが最高ですッ!!

今後の課題という圧倒的な低音の量感ですが、
なかなか難しいですよね。
管理人のスピーカーなんで全然ダメダメです。(^_^;)

それではまた改良や新作製作されましたらご投稿下さい。
ブログにも遠慮なくコメントお願い致します。
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作成:2006/4/15 0:00:00 地蔵   閲覧数:1603
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コメント一覧

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エリック  投稿日時 2006/4/19 17:57

>地蔵様 遂に3号機?公表ですね。名前は外観からジラフ(色は黒でなくて黄色か褐色が良かったかも)ですか。相当頑張った甲斐あってか低音が凄そうですね。オフ会でお聴きしたときは中・高音が素晴らしかったのでこれに低音が加われば文句なし。ブロンバーグやエンヤも良いですが、是非ともウルトラパーカッションで試してみてください。本当の凄さはこれでよく判ります。
私は今日コーナンプロで150φの塩ビ管とインクリーザ等を調達してきました。これから料理方法を考えます。エクセル表は参考させていただきます。

suisyu  投稿日時 2006/4/19 21:40

地蔵さん、飛ばしすぎですよ。オフ会からわずかでこの作。
音の為以外の造形を一切排した、機能美。
美しいですね!
皆さんのセンス、只者ではない。
エリックさん、モーレアさん、コニさん、いそげ!いそげ!
早く次作が見たいものです。

コニ  投稿日時 2006/4/19 21:58

>地蔵さん
まず造形に脱帽、姿形、配色、色合い、見事です。何となくユーモアを感じ、それで居て凛としている。とても素敵です。
管理人さんもご指摘のように天体望遠鏡のようでロマンも感じます。
作りも入念で、アイデア豊富、短期間に頑張りましたね。
ネーミングのジラフ、先を越されました。ポチの首を長くしたものをジラフ又はジラ,胴体を伸ばしたものをダックス又はダックと命名しようとしていました。

BISケット   投稿日時 2006/4/19 21:58

低音の威力でこのまま宇宙に飛んで行きそう?(失礼)
みごとな仕上がり参りました。地蔵さんは確かエンジニアではなかったのでは?これら理論や工作は何らかの下地がないとなかなかできないと思うのすが?
実は私の中では低音ブームは少し落ち着きまして(ちょっと飽きました)LPレコード聞いてます。9千円のプレーヤー(最近、高級機はターンテーブルとかプラッター?とか言うらしい)で聞くナロウな世界ですけど。

地蔵  投稿日時 2006/4/19 23:40

エリックさん
名前がジラフなので、色もそのようにしようかなとも思ったのですが、やはり私の独自カラーの黒と銀で仕上げました。
ウルトラパーカッションを聴きました。すごいCDですね。
低音はそこそこ出ているのですが、やはりsuisyuさんのスピーカーのようにはなかなか鳴りませんでした。
何というか空気感とでも言いましょうか、量感とでも言いましょうか、そういったものがやはりsuisyuさんのもの比べて足りません。
自作を作る意欲がまた湧いてきました。
エリックさんの新作も早くアップしてください。
楽しみにしています。

地蔵  投稿日時 2006/4/19 23:45

>suisyuさん
過分なるお褒めの言葉、ありがとうございます。
>地蔵さん、飛ばしすぎですよ・・・
はい、飛ばしすぎて少し疲れました。寝てもさめてもスピーカーのことばかり考えていました。
でも楽しいですね。わくわくします。
学生時代に戻ったようで、気分が若返ったような気がします。
これも皆さんとお会いして刺激を受けたおかげです。
感謝してます。

地蔵  投稿日時 2006/4/19 23:49

>コニさん
ありがとうございます。
コニさんからのアドバイス、非常にありがたかったです。
音を追求していった結果、このような形となりました。
45度チーズにこだわったことも影響しています。
ジラフの名称の件、申し訳ありませんでした。
知らずに付けてしまいました。
ダックス、ダックは使いませんのでご安心を。(笑)

地蔵  投稿日時 2006/4/19 23:55

>BISケットさん
エンジニアではなく、バリバリの文系です。
でもパソコンを自作したりするのは好きです。
それと、中学、高校、大学とすべて美術部に所属していました。
絵はへたくそですけど・・・。
えー!? 低音ブーム、落ち着いてしまったのですか?
私は、ジラフを作ってなお、更なる低音を求めてさまよっています。
ユニット背中合わせ2個使いのタイムドメイン式ウーハーは作らないのですか?
心ひそかに楽しみにしていました。

モーレア  投稿日時 2006/4/22 15:18

地蔵さん、すごいですね。
中学生のころは天体望遠鏡にあこがれていたので、本当に天体望遠鏡に見えてしまいました。それでひらめいたのですが、三脚の上に赤道儀もどきをつけて、そこに小型のタイムドメイン型スピーカーをつけると、おもしろいオブジェになりそうです。単なる妄想ですが。

BISケット   投稿日時 2006/4/22 18:26

美術部ですか。。「なっとく」です。地蔵さんはガリレオの様な方だ?
コーナンPROで見た150の塩ビパイプの巨大さにおののいて、あの「おまたくん」一台だけです。専用アンプでモノーラル再生させてます。
長岡氏が「暗騒音が常時あって頻繁に自動車の様なものが通る」と書いていたグリュミオーの四季は、これのことかとやっとこさ理解ができるのでした。この様に書くと、「暗騒音を聞くために音楽聴いてるのか?」と思われそうですが、いい演奏はなぜかこういう録音に多いのも確かです。
CDの裏面に、ADD、AAD、DDDとか書いてありますがアナログマスターの昔のものが結構良かったりします。

地蔵  投稿日時 2006/4/22 22:11

>モーレアさん
赤道儀のアイデア面白いですね。
宇宙の雰囲気を出すために、suisyuさんのところにあったような
プラズマライト(球体で妖しく放電するボールです)を設置して、
電気を消して、聴いてみようかな・・・。

地蔵  投稿日時 2006/4/22 22:21

>BISケットさん
「おまたくん」ていう名前、ぴったりです。
思わず吹き出してしまいました。(笑)
暗騒音をも再生してしまうのですか?
すごいですね。聴いてみたいです。
ところで、私の「ジラフ」の背中に後ろ向きについている90度チーズの口ですが、これは、前作の地蔵2号改からの流用です。
これを低音増強用に活用してみようかなと思っています。
ここに8センチか10センチのフルレンジを付け、コーンの背圧のみを利用して、バックロードにかかる音圧を上げてみようかと思います。
コーン紙前面はスポンジか何かでふさいで消音します。
BISケットさん、このやり方はどう思われます?
成功の可能性は高いでしょうか?

BISケット   投稿日時 2006/4/23 8:45

メンテ用の口かと思ってました。いわゆるドロンコーンでしょうか。実はおまたくんを作るときにポートの口に自作ドロンコーンを付けたことがありました。発泡スチロールの薄板を布製のガムテープでコーティングし、エッジもガムテープで塩ビ管に貼り付けます。これでだいたいの効果がわかり楽しいです。しかしいい加減なつくりなので余計な音がつきまとったりします。フルレンジをつけたときは、端子をショートしてみたりして負荷を変えてみるのも面白いかも。(ホーン構造なのでほとんどそちらに逃げてしまうかもしれませんが)
低域は小音量になれば耳に認識されにくいもので、家庭で聞くには良質のラウドネススイッチが必須なのかもしれません。最近バイワイヤリング接続できる大型スピーカーが多いのもうなづけます。ブーストが自由に出来るとこれで確認しておいて、単体でどうかな?ってことも出来て楽しいですよ。

地蔵  投稿日時 2006/4/23 22:14

>BISケットさん
レス、ありがとうございます。
ドロンコーンではなく、フルレンジを追加しようかなと思っています。
いろいろ試してみます。
ところで、ジラフの容積の見積もりを間違っておりました(式はあっています。式ではなく、入力値が間違っていました)。空気室の容積を、実際よりも小さい値で計算しておりました。
正確な容積を入れてみると、なんとfh(共鳴周波数)が24Hzになっていました。
これは12センチユニットからすれば非常に低く、共鳴しようにも元の波形が弱すぎて、音圧が出ないのではないか・・・。
それで低域の量感が不足していたのだと考えました。
そこで、空気室をいじるのは大げさなので、スロートを短くし、すこし広くしました。直径3.2センチ→直径4.4センチにしました。
これで計算上はfhが35Hzになりました。
音を出してみると、少し低域の量感が増しました。
一歩前進です。
これからもいろいろと工夫してみます。



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