【製作の経緯】
画像2に示したバックロードホーンを試聴した際に、私は闊達な音の散乱が乏しいと感じました。ユニットに対してスロートを絞り過ぎたせいではないかと推測し、ヘッドとホーンの入口から200mm分を塩ビ管関連部品を用いて改造することにしました。
ヘッドはφ75のキャップとφ75-40の異形エルボーの2つの部品で構成しました。200mmのスロートは断面積が約15cm2のVU40管を用いました。3Dプリンターで出力したホーン部分との接続はφ40のソケットを用いました。このソケットはホーン側には接着していますが、スロートは単にはめ込んでいるだけです。なお、ホーン部分はオリジナルのホーンの向きを一部変更して、トグロを巻いた蛇が鎌首をもたげているような姿勢にしました。
吸音材には水槽用ろ過フィルタを用いました。ヘッドには薄く割いたものを円筒側面に沿わせ、ホーン内部には細長く切った棒状のものを音道に沿うように挿入しました。
【試聴と感想】
音は手前味噌ですがなかなか良くって、バックロードらしいヌケの良い躍動感のある鳴り方をしてくれます。
同じユニットを用いて鳥型やCW型の木製バックロードホーンを製作していますが、それらに比べてこの作品はより純粋なバックロードホーンの動作が実現できているように感じています。
ヘッド容量、吸音材の量と配置、塩ビ管スロートの長さなどの調整はまだ十分に追い込めていませんが、スロートの長さを変えたり別のユニットに交換したりして、音の違いを楽しみたいです。
【改造版の試聴と感想】
当初はアンプの負荷インピーダンスを考慮して、3本のユニットを直列接続にしました。試聴したところ、ホーンはそこそこドライブできているようですが、高音がイマイチで、バイオリンの切れがもの足りません。音の輪郭が曖昧です。
そこで、3本のユニットを並列接続に変更して、これに2.2Ωの抵抗を直列に接続してみました。すると、音の輪郭がクッキリしてYMOのライディーンがバリバリ鳴るようになりました。シンセの切れが心地よいです。
3本使いとは言え、低音感が希薄なダイソーのユニットで1300mmのホーンをドライブできるのか不安でしたが、そこそこの低音感は得られているように感じます。
ダイソースピーカーは単体で聴くと、純粋な砂糖ではなく人工甘味料のような音がしますが、そのようなまがい物感はある程度払拭できているように感じました。
ヘッドをまじまじと見ていると、往年のプロレスラー、ザ・デストロイヤーを想起させます。