かず
小鳥ちゃん3D
ことりちゃんすりーっでぃー
35 x 45 x 60
正面

ホーン

Pioneer

OMP-600

自己評価
未選択
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画像1

 自分の好きなバックロードホーンスピーカーのヘッドとスロートに塩ビ管を使ってみました。
 とぐろを巻いているホーン部分は、知人から譲りうけたものを利用しています。 

画像2

 この作品の母体となったバックロードホーンです。
 従来のバックロードホーンに革新的なデザインが乏しいことに着目して、形状の自由度が高い3Dプリンティングでの製作に挑戦したものでした。
 ユニットにはパイオニア社製OMP-600を用いています。

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 3D・CADで設計しています。

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 3Dプリンターでは長さ1300mmのホーンを100mmごとに分割して印刷しました。
 素材はPLA樹脂です。

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【改造版】
 広島のオーディオサークル・オメガの会が、2023年2月に全国規模のスピーカーコンテストを開催しました。
 コンテストのルールはダイソーの300円スピーカーユニットを使うことです。
 そこで、3Dプリンタによるホーン部分は流用して、画像1のヘッドをダイソーユニットに適合するように改造して、コンテストに参加することにしました。

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 OMP-600の振動板面積が約16cm2であるのに対してダイソーユニットは約12cm2ですので2本使いで適応できそうですが、ストロークを含めた駆動力が大きく劣ると思われるのと、デザイン性も考慮して3本使いとしました。
 これはヘッドにφ100×50の異径エルボーを用いるとギリギリ収まるサイズです。ヘッド容量は0.9ℓ弱で、ユニット3本分に対してはやや大きいと思われますが、許容範囲でしょうし、詰め物などで調整可能です。
 スロートにはVU40管を用いているので、ヘッドとはφ50×40のインクリーザーを介して接続しました。

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 バッフルは4mm厚のアルミ板をNCフライスで削り出し、振動板周囲の厚紙部分がちょうど嵌るような丸穴を3つ開けました。
 ユニットをネジ留めするような寸法余裕がないため、フランジをニッパーでカットして、裏側からエポキシ接着剤で固定しました。
 バッフルは厚盛りした異径エルボーのφ100面に3か所でネジ留めしました。

【製作の経緯】
 画像2に示したバックロードホーンを試聴した際に、私は闊達な音の散乱が乏しいと感じました。ユニットに対してスロートを絞り過ぎたせいではないかと推測し、ヘッドとホーンの入口から200mm分を塩ビ管関連部品を用いて改造することにしました。
 ヘッドはφ75のキャップとφ75-40の異形エルボーの2つの部品で構成しました。200mmのスロートは断面積が約15cm2のVU40管を用いました。3Dプリンターで出力したホーン部分との接続はφ40のソケットを用いました。このソケットはホーン側には接着していますが、スロートは単にはめ込んでいるだけです。なお、ホーン部分はオリジナルのホーンの向きを一部変更して、トグロを巻いた蛇が鎌首をもたげているような姿勢にしました。
 吸音材には水槽用ろ過フィルタを用いました。ヘッドには薄く割いたものを円筒側面に沿わせ、ホーン内部には細長く切った棒状のものを音道に沿うように挿入しました。

【試聴と感想】
 音は手前味噌ですがなかなか良くって、バックロードらしいヌケの良い躍動感のある鳴り方をしてくれます。
 同じユニットを用いて鳥型やCW型の木製バックロードホーンを製作していますが、それらに比べてこの作品はより純粋なバックロードホーンの動作が実現できているように感じています。
 ヘッド容量、吸音材の量と配置、塩ビ管スロートの長さなどの調整はまだ十分に追い込めていませんが、スロートの長さを変えたり別のユニットに交換したりして、音の違いを楽しみたいです。

【改造版の試聴と感想】
 当初はアンプの負荷インピーダンスを考慮して、3本のユニットを直列接続にしました。試聴したところ、ホーンはそこそこドライブできているようですが、高音がイマイチで、バイオリンの切れがもの足りません。音の輪郭が曖昧です。
 そこで、3本のユニットを並列接続に変更して、これに2.2Ωの抵抗を直列に接続してみました。すると、音の輪郭がクッキリしてYMOのライディーンがバリバリ鳴るようになりました。シンセの切れが心地よいです。
 3本使いとは言え、低音感が希薄なダイソーのユニットで1300mmのホーンをドライブできるのか不安でしたが、そこそこの低音感は得られているように感じます。
 ダイソースピーカーは単体で聴くと、純粋な砂糖ではなく人工甘味料のような音がしますが、そのようなまがい物感はある程度払拭できているように感じました。
 ヘッドをまじまじと見ていると、往年のプロレスラー、ザ・デストロイヤーを想起させます。