古舘@横浜 さんの日記
ネットワークを組もうと回路図を眺めていたら、スピーカーの所にインピーダンスが書かれていない。インピーダンスが分からないとネットワークの定数が決まらないので?と思って、念の為にテスターで直流抵抗(DCR)を測ってみた。
すると、ツィーターは6.5Ωなので使用書通り8Ωなのが分かる。ところがウーファーのDCRを測定すると3.5Ωしかない。3.5Ωというとインピーダンスは4Ωに相当する。
ネットワークはどちらも8Ωと思い込んで値を決めたのでウーファー側の定数の変更が必要になる。クロスの周波数の変更や6dB/octへの変更などを模索してみたが、余り良い案もなく設計し直しとなった。
結局、当初の予定通り、3kHz、12dB/octでウーファー側のみの定数変更でコイルが0.79mHから0.39mHと半分に、コンデンサが6.2μFから12.4μFに変更になった。
コイルは解いて希望の値まで減らす方法も考えたが、折角のコイルを巻き戻すのももったいないので、コイルの箱を探すと0.47mHと0.82mHのコイルが1個ずつ有った。0.47mHの方は1mmのエナメル線でなんとか使えそうだったが、0.82mHの方は0.6mmのエナメル線でウーファーに使うには細過ぎて直流抵抗(DCR)も大きくなる。
ただ、使用しているコア(鉄芯)は同じものだったので、0.47mHは0.39mHになるまで解いて、0.82mHは完全に解いてコアのみにして新たに1mmのエナメル線を巻いて0.39mHにして1ペアを作り出した。測るとDCRは0.12Ωで、当初使用予定だったコイルからインダクタンスは半分になったのにDCRは0.07Ωから若干増えてしまった。1.5mmと1mmのエナメル線では2倍以上の断面積の差があるので、面積に反比例するDCRが増えるのは致し方ないが、まぁ使えるレベルだろう。
前回にダンピングファクターの薀蓄を述べた割りには逆行するが妥協も必要という事で…。
ネットワークは何とか出来上がったが、もう一点、能率の問題が出てくる。ツィーターの音圧レベルは90dB/W/mであるが、ウーファーの音圧レベルはSPECがないため分からないが、予想では88~89dB/W/m程度と予想していた。音響レンズを付ける予定なので、鳴らしてみてツィーターのレベルが高いようならアッテネーターを入れれば良いと思っていたのだが、ウーファーが8Ωから4Ωになると音圧が3dB上がったのと同等になるのでウーファーとツィーターの音圧が逆転する恐れが出てきた。少なくともアッテネーターは必要なくなりそうだし、何らかの対策が必要になるかも知れない。
音響レンズは正面では若干レベルが下がるので付けない方が良いのかも知れないが、そこは実際に鳴らしてみないと分からない。
コンデンサは表示が6.5μFの物がまだ有ったので並列にして対処した。このコンデンサは古いものなので容量抜けしたのか元々なのかは分からないが、一応Kランクなので±10%の誤差の中には入っているが、容量の小さいものは6.07μFと下限に近い物が有ったが、他の物と組み合わせてほぼ設計値通りに出来た。
ネットワーク基板の配置は通常は下に置くが、スピーカーケーブルを若干短く出来るので、左右連結補強板に取り付けた。また、LPFとHPFは相互電磁誘導干渉が少なくなるように左右に振り分けた。
ほぼ鳴らせる状況になったので、最後にまだ接着していない側板を接着して待望の音出しが可能になる。
スキャンスピーク用のボックスでは積層部分が綺麗だったのでそれを活かしたかったのだが、時間が無かったこともあり、色付きのウッドオイルを塗ったらそれにマスクされて積層の美しさが全く見えなくなってしまったが、今回もシナベニア合板で積層部分は10数層になっているので、これを目立たさせる塗装を探るために合板をカットした木片を切り出して色々な種類の塗料を塗り比べを始めた。現時点ではワシンのウッドオイル透明色、コーナンオリジナルの水性ニスの透明、ワシンの油性ウレタンニスの透明、ワシンの水性ニスのチーク色の4種を塗ってみた。まだ2回塗りであるが、大分差が出てきた。水性より油性の方がより染み込むようだが、コントラストはやはり色付きのニスの方が付く。反対側にはまだ塗っていないのでほかの塗料も試してみよう。
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第2空気室、取り外し出来るバッフル下をパッキンが潰れるまでねじ込むとボルトの頭がかなり飛び出す。黒いダクトは内径がVU50と同じで肉厚が厚いもの(VP50程ではない)ソケットへの挿入は切り込みを入れて圧入している。補強材でダクトの交換が苦しくなってきた