TOP  >  日記  >  古舘@横浜  >  スピーカー製作  >  M800BHBS

古舘@横浜 さんの日記

 
2017
2月 18
(土)
04:53
本文

工作環境も整いつつある所で早速引っ張り出したのが、買ったままで、ほったらかしになっていたSTEREO誌付属のメタル振動板を使った8㎝フルレンジのM800。
裸で鳴らしてみた時には好印象だったので、ちゃんとした箱に入れてやりたかった。
ユニット自体はバスレフ向きらしいし、FOSTEXの推奨も3.5リッターのバスレフという事だ。
しかし、それでは面白くないのでKenbeさん考案のBHBSで作る事にした。

BHBSはご存じ、正真正銘の匠のKenbeさん考案のバックロードホーンバスレフだが、今回は昨年の11月頃にKenbeさんがFE83Sol用に作った箱を参考に、板取りの関係で若干寸法は違うものの、ほぼそのままデッドコピーした。
KaneyaさんがHPから情報を拾って清書した図面やコメントから細かい所も分かり非常に参考になった。

M800はFE83Solに比べるとマイルドでバスレフ向きだと思うが、BHBSはTangBand等のユニットでも好結果を得られている様なので期待出来そうな予感もあった。
バックロードホーンはBack-loaded HornなのでBHと略すのは問題ないが、バスレフはBass Reflex略すとBRだと思うので、BSと略すのは若干違和感が有るが、KenbeさんがBSとしているので敬意を払ってBSの略を使う)

オリジナルは18㎜厚の(メルクシ?)パイン集成材でバッフルのみ二重になっており、サイズは450×180×318である。

今回の箱は20㎜のバーチクルボードを使う事にした。
この材料は以前にエッジレスウーファーの箱で使ったが、重く密度が高く、若干加工は難しい部分も有るが、スピーカーの箱には適していると思う。税込みで1080円というのも魅力だ。
この板はホームセンター コーナンで買ったが、ここではスマホのアプリのクーポンで10カ所までカットが無料なのだが、この板はパネルソーの刃が痛むらしくカット対象外。そこで車に積み込むためには自分でカットしなければならない。しかし最近、木材売り場に併設する工作室で自由に電動丸ノコが使える様になったので、そこを利用した。
しかし、今回の様に無駄無く材料を使う為には置いてある丸ノコの垂直出しや、適度な丸ノコガイドなどを用意しないと無駄な部分が出てしまう。幸い、平日の昼間の空いている時間帯に行ったので落ち着いて作業出来たが、丸ノコの垂直が若干狂っていて少し斜めになってしまったので、修正が必要になり、予定より1~2㎜小さくなった。

バーティクルボードのサイズは1820×600㎜で厚みは20㎜で、定尺(1800×900)なら1枚で箱2台分は楽に取れそうだが、600㎜では若干足りない
2枚使うのは無駄が多いので、オリジナルとは寸法を少しずつ調整して、何とか箱の上下左右前後の表面部分を1枚で2台分確保し、僅かな残りで内部のホーン出口付近の斜めになる部分、空気室の容量調整に使った。
それで足りない空気室周りの内部構造の部分は手持ちのt12のラワン合板を使った。これもホームセンターで端材として売っていた板で、全部合わせても100円ちょっとで安上がりで済んだ。

…という事も有り、バッフル部分はオリジナルは2枚重ねだが1枚にして、最終的には450×186×296のサイズになった。変更点としては内部の幅が140㎜に対して146㎜、奥行きが264に対して256㎜、高さはほぼ同等。他には空気室の後ろが容量調整で空洞になっているのが若干抵抗が有ったので余り板で空洞無く埋めたのとスロート部が三分割されていたのを材料の厚みの関係で四分割しているが、基本構造、寸法はほぼ変わらない。
構造寸法図
[添付]
バーティクルボード板取図
[添付]

板取りなど一通りの設計が済むと、後はテーブルソーの出番でスイスイとカットする。
同じ寸法の所はガイドを動かさないで一度にカットする事で相対精度を上げる事が出来る。
ホーン出口付近の13度の斜めカットも、音道を滑らかにする角の補強材の45度のカットもあっと言う間に完成。
[添付]
バッフルの穴開けもダクトのVU65用にはΦ76のホールソー。
[添付]
M800の開口部はΦ79というスペックだが、実際にはΦ78なのでΦ75のホールソーで穴を開けて、トリマーで1.5㎜を深さ3㎜削ってΦ78にした。
[添付]
[添付]
どちらも材料をクランプで押さえているので、ノータッチ。回転状態で写真が取れる。
固定には付属の木ネジは使わず、しっかり締められる爪付ナットを埋め込んだ。ユニットの固定穴が長円なので、その外側に合わせて穴を開ける事で爪付きナットの裏側がが開口部に出て来る事は無い。
[添付]
材料が揃ったので仮組して確認。
[添付]
良さそうなので早速組み立てに入る。接着には木工ボンドを使用しているが、一生使っても無くならないと思っていた3リッターの容器が割り箸を使わないと届かなくなっている。
以前、速乾性のボンドも使ったが、クランプで締め付ける際にズレたりしてそれを手直ししている内に固まって動かなくなってしまうので、不器用な私には若干乾くのが遅い一般の木工ボンドが合っているようだ。
空気室周りの組み立て
[添付]
SP開口部からホーンのスロート部分。コードはスロート内を通す。
[添付]
スロート入口には補強とスムーズなエアフローを狙って斜めに板を入れたが、良くなるか悪くなるかは分からない
[添付]
ターミナルは透明樹脂フルカバーの高級そうに見えるロングタイプの金メッキの端子を使った。
今や、Amazonで赤黒2セットは送料込み1000円以下で手に入る。ペアで数1000円の物と品質は遜色無い。
11
ホーン出口付近の斜めのカットはテーブルソーで正確に加工出来るので、エア漏れも無くなる
[添付]
空気室の容量を変えて試してみたかったので、最後の側板はクランプで押さえて音出し。
[添付]

音出しはメインのスピーカーの右チャンネルだけ外してそこにM800BHBSを繋いだのだが、低音が出るのは左チャンネルのメインのスピーカーも鳴っているので、そのせいだと思っていたが、そうでも無い様でかなりの低音が出ている。
注意深く聴いてみると、8㎝のバスレフダブルバスレフでは出ない帯域が出ている。

流石にKenbeさん設計だけあって、ローエンドの伸びは半端じゃない。
FE168EΣの自己流BHBSはどんなにダクトを弄っても50Hzまではフラットに出来るが、それ以下はどうしても伸びなかったのが、何もせずに出ている。
簡単な構造、短いホーン、小さなスピーカーでどうしてこんなに重低音が出るのか不思議で理解出来ない。
試しにPAA3でf特を測定したのがこちら
[添付]
30Hzがかなりのレベルで出ているのは衝撃だった。恐るべし、BHBS。

空気室に物を詰めてちょっと空気室を小さくしてみたのだが、私の耳では殆ど変わらないのでそのまま側板を接着して作ったそのままにする事にした。もう片チャンネルを組んで早くステレオで鳴らしてみたい。

閲覧(11503)

コメント一覧

投稿ツリー


kenbe   投稿日時 2017/2/18 12:07

石田式BHBSを使用していただきありがとうございます。

横幅を少し変えたりするとそれなりに音の違いは出ます。
バスレフ用のユニットは箱が小さく済むので経済的だと思います。
BSは、長岡式バスレフの記号がBSとなっていたので、パクッてBSにしていました。
BHBSの名前に賛否両論があるようなので、石田式BHBRに改名しようか、真面目に考えています。
15cm級の石田式BHBRは、次元の違う低音が味わえます。
ステレオでの感想を楽しみにしています。

古舘@横浜  投稿日時 2017/2/18 13:06

石田さん
コメント有難うございます。
お礼を言うのはこちらの方です。
幅が4㎜の差ですが、それでも差が出るのでしょうか?
一応、スロート面積が同等になる様に高さ30㎜を29㎜にしたのですが…
呼び名は長岡先生の命名だったのですね。了解しました。
呼び名よりも出て来た音の方に感激しました。
今までかなりの数の8㎝の箱を作って来ましたが、低音再生能力は群を抜いています。
石田式BHBSとユニットとの相性も良かったのかも知れませんね。
ブログを拝見すると15㎝のBHBSはメインを凌駕するとの事、どんだけ凄いのか想像も付きません。ワンナイトショーが空振りせずに再生したらどんな音なのか未知の世界です。
ステレオになって量感が増えるのか、左チャンネルのメインの音が出なくなって量感が減るのか予想が付きません。

ゲスト   投稿日時 2017/2/18 13:25

4mmでは、ほとんど変わらないと思います。2cm位変わると分かります。

kenbe   投稿日時 2017/2/18 13:26

ゲスト名になってしまいました。(汗)

古舘@横浜  投稿日時 2017/2/18 13:34

石田さん、了解です。
実は4㎜ではなく6㎜でしたが、大差無いですね。



新しくコメントをつける

題名
ゲスト名
投稿本文
より詳細なコメント入力フォームへ

ログイン

E-mail

パスワード:



パスワード紛失

新規登録

携帯アクセス

QR_Code.jpg
http://bit.ly/dDcMxt (www.enbisp.com)

画像表示

古舘@横浜 さんの日記 [ランダム画像]

マルチ用ウーファーシステム製作スタート
カットし終わっって台車に載せた板材。残りは横にある50×6...

オフ会用スピーカー
当然だが表で出っ張っている部分は裏側はエグレている ...

2014年度 STEREO誌 コンテスト作品
ダクト用にも積層板を丸く刳り貫いたものを使用する ...

スキャン5cm 仮箱 インプレ
規格外のファストン端子は曲げてやっと入るスペースしか空いて...

シナベニア入手
車に入るように456mm幅にカットした後、端から長さ600...

2014年度 STEREO誌 コンテスト作品
バッフル面が塩ビ管の頂点と合うように調整予定。塩ビ管のカー...

次期スピーカー再始動
ここまで完成。一番面積の大きい側板部分は余った板で左右雨を...

オフ会スピーカー11
ワシンのオイルステインを買って来た。乾燥時間が40分!! ...

P650標準箱組立て&視聴
面取り状態。ちょっと調子に乗って削り過ぎたか!? ...

投稿者

古舘@横浜 さんの日記
アクセス数: 7778994 



カレンダー

«前の月次の月»
1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728