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古舘@横浜 さんの日記

 
2013
11月 16
(土)
12:50
本文

最近は涼しくなって朝晩は寒いくらいになって来たが、多少動いても汗をかかないので、スピーカーを作成するには良い季節だ。そこで、外に出るのも辛くなる冬になる前になんとか形にするべく、暫く中断していたマルチチャンネルの検討を再開した。

W6-1125SCのダブルバスレフは次期スピーカーとしてマルチアンプ化する予定だったが、このダブルバスレフはそれなりに低音は出るのだが、40Hz以下のローエンドはダクトなどの調整では残念ながら十分な音圧で再生する事が出来ず若干の不満が残った。箱の方式を変えれば出るのかも知れないが、このウーファーは最低共振周波数が割合高い高効率なタイプなので難しそう。

やはり、折角マルチチャンネルにするからには低音から高音まで不満部分は残したくない。
という事で、ウーファーのユニットは根本的に違う物を使う事にして、引っ張り出したのがエッジレスウーファーと呼ばれる、FOSTEXが未だFOSTERという会社名だった頃の40年程前に発売されたものだ。
型名はSLE-20Wと言う、エッジが無い代わりにボイスコイルの後方にもダンパーが設けられ、ボイスコイルボビンの前後に磁気回路を挟んでダンパーが設けられたダブルダンパーになっており、ボイスコイル、しいては直結した振動板のブレを防いでいる。振動板の周辺には発泡スチロールのリングが装着されており、フレームとの間は2mm程のスリットになっており、音漏れを防いでいた。FOSではこれをアコースティックフィルターと読んでいた。

実は昔、まだ大学生の頃に憧れだった日立の銘器 HS-500 に使われていて、単品販売もされていたギャザードエッジウーファー L-200を買う か、FOSのエッジレスウーファーを買うかと悩みに悩んでアルバイト代を叩いて、SLE-20W を買って(16000円/本だった)、長い間メインシステムとして聴いていた。
銘機として名高いパイオニアのPE-16やダイアトーンのP-610が当時1600円前後、フォスターのFE-103が発売されて間もなくで2200円位で売られていたバブル前の時代である。

今回使うのはそのユニットそのものではなく、、詳細は分からないがFOSTERが当時の米国の会社にOEMとして供給していた物で、それが長い間USAの倉庫に大量に眠っていたらしく、FE-8という型名が付けられていだが、数年前にオークションに出ていた物を懐かしさから4セット(8個)手に入れてストックしていたものである。(実はL-200も10年程前に、あるマニアの方から譲って頂いてJSP箱に入れたのだが、相性が悪いようで今一だった)
このFE-8は、SLE-20Wの様な単品売りではなくスピーカーシステムへの組み込み用として開発されたので、組み込むと見えないフレームやマグネットカバーなどの塗装や銘板類は省略されているが、基本的にはSLE-20Wと同じ物だと思われる。

以前に、このウーファー(SLE-20W)を使っていた時は厚みが3cm以上ある角形のコンクリートの土管に入れて完全密閉で使っていた。容量は25リッター程度だがローエンドはかなり伸びていた記憶が有る。
当時はバスブーストしてレベルを若干上げて使っていたが、現時点で導入したら、どうなのかは不明だ。バスレフ方式が共振周波数以下では落ち込みが大きいのに比較すると、密閉の方がダラ下がりで低い帯域まで伸びる傾向があるので、適度にブーストしてサブソニックフィルターを効かせつつ強制的にドライブさせて低域を伸ばしてやろうという狙いである。

密閉方式というと古くはアコースティックリサーチ社のAR-3aという製品のアコースティックサスペンション方式が有名で、それまで大型のフロアー型が主流だった世界に小型の完全密閉の箱に吸音材を一杯に詰め込んで中の空気をサスペンションとして利用する方式が登場し、一世を風靡した。
http://bit.ly/1eXzmRG (members.jcom.home.ne.jp)
http://bit.ly/1e9bCHo (audio-heritage.jp)
最近ではFOSTEXのアクティブサブウーファーで25cmや20cmのウーファーを使った密閉方式のCW250A、CW200Aがある。
http://bit.ly/1eXzocc (www.fostex.jp)
http://bit.ly/1e9bBTP (www.fostex.jp)
今回は20cmウーファーなので上記CW200Aに近い物を作る事になる。25cmのCW250AはMFB(Motion Feed Back)技術を使っているようだが、検出コイルも無いのでその意味でもCW200Aに近いと言える。
CW200AのWebページの達成目標には「32Hzは十分に再生し、パイプオルガンの16Hzも感じられる能力を目指した」とあるが、16Hzは悪戯に無理矢里再生するより、20Hz以下はサブソニックフィルターでカットして耐入力を高める方が良いような気もするが、30Hz前後は十分なレベルで再生出来る様にしたいと思っている。

ここら辺の制御はチャンデバのDCX2496でも出来ると思うが、今回はウーファー用に手に入れた24bit/96kHzのDSPが内蔵されたNU1000DSPを使用して、これを活かしてクロスオーバー用フィルターを始め、パラメトリックイコライザー、ダイナミックイコライザーなどの機能を駆使して、どんなスピーカーともアドオンで組み合わせる事が出来る様にするのが目標だ。

今回の密閉箱は1ウーファーで30~35リッター程度の容量を考えているが、実際に作ってみて気に入らなければダブルウーファーにしたり、バスレフにしたりと臨機応変に対応し満足出来るものにしたい。

SLE-20Wの当時のスペックではfoが27Hz、Qoが0.35、moが28g、音圧レベルが90dB(当時は50cmでの値なので現在の1mでの規格では1/4の84dB/W/mとなる)で45リッターのバスレフが推奨されていた。
[添付]

さぁ、エンクロージャーの材料を探して来なくちゃ。

画像1

オリジナルのエッジレスウーファーSLE-20W。単品発売物なので、フレームやマグネットカバーなどは塗装されている

画像2

大きな布製のセンターキャップにはSLE WOOFERという白のプリントが入っていた

画像3

マグネットカバーのステッカーにはFOSTEXでは無く FOSTER ELECTRIC CO.LTD の会社名が入っている

画像4

フレームはアルミダイキャスト製だが塗装が剥げて年代を感じさせる

画像5

FE-8はオリジナルに対しフレーム、マグネットカバーは塗装されていない。またセンターキャップの印刷、製品名など書いたステッカーも省略されている

画像6

構造はボイスコイルの前後にダンパ^ーが設けられたダブルダンパーになっている。見えているマグネットはアルニコ

画像7

大きなセンターキャップはメッシュ状で空気は通してゴミや埃を通さない。周囲は発泡スチロールのリングになっておりフレームとは完全にフローティングされるスリットになっている。

画像8

日立のHS-500に使われていたギャザードエッジウーファーL-200。磁石はアルニコで、foは26Hz、Qoが0.45、moが18gと記載してある。アルミダイキャストで梨地加工と今見ても格好良い

画像9

当時の主流だったウレタンエッジが次々と加水分解でボロボロに朽ちて行く中で、未だ健在のギャザードエッジ。ボイスコイル径が100mmもある

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コメント一覧

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たてちゅう  投稿日時 2013/11/16 18:51

先日お話で出たエッジレスがこれですか。
どんなスピーカーになるか楽しみです!!

古舘@横浜  投稿日時 2013/11/16 19:47

たてちゅうさん

そうです、40年も前のスピーカーユニットを使って現代の音楽を聴くのですから、考えてみればスピーカーの構造は殆ど昔から何も変わってないですね。

どんなスピーカーになってどんな音になるか、私にも分かりません :-D



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