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古舘@横浜 さんの日記

[2012-8] 
 
2012
8月 12
(日)
00:04
ペットボトルサイクロン集塵機
本文

しつこくサイクロン集塵機ネタです。
やはりサイクロンの渦巻を見たくてペットボトルの集塵機に挑戦してみました。
コーラ用のペットボトルは中身が入っている時は固くしっかりしているように思えたが、いざプシュッと栓を開けるとペラペラでグニュっとしてしまう。内側からのコーラの炭酸の圧力で固く感じただけのようだ。
このまま使ったのでは掃除機の負庄でペッチャンコになってしまうのは目に見えている。しかし透明なのとネックにかけてのカーブは捨てがたい。しかし、凹凸のある部分はある程度強度はあるのだが、ストレートの部分には何の凹凸も無く、ペラペラで弱い。

という事でペットボトル強化大作戦を開始した。
しかし、透明性を維持したまま強化するのは意外と難しい。二重にするのも考えたが、同じサイズではうまく重ならないし、それ程強度は上がりそうもない、PETの材質だと使える接着剤の種類も少ない。
何かで支える構造を考えたが、アクリルだと透明性は高いが曲げるとすぐに折れてしまうし、熱を加えれば曲がるが、綺麗に曲げるのは難しそうだし、なかなか扱いにくい。という事で透明度は落ちるがアクリルより柔軟性の有る2mmの厚手の塩ビシートを10mm幅にカットして補強することにした。
外側に取り付けた方が内部の空気の流れを妨げないが、見た目と強度から内部に取り付けた。ただ、想定される渦巻きサイクロンの軌道に沿って取り付け、出来るだけ動作の邪魔にならないようにした。塩ビシートは320mmの長さの物を2本使い、二重螺旋状に取り付けた。取り付け方法は塩ビシートに30mm置きに3mmの穴を開けて黒のプッシュピンでペットボトルに止めていく方法で、ちょっとしたデザインにもなっている。

このプッシュピンとは、大きな物は車などのバンパーやグリルなどを固定する際に使われているが、真ん中のピンを押すことによって割りが入ったハウジングの中に入る部分を広げることによって固定するものである。穴さえ開ければ後は差し込んでプッシュピンを押すだけで固定できるので非常に便利である。プッシュピンを抜けば全体も抜けるので取り外しも可能で何回でも使用できる。

以前作ったDAC+デジアンプのパネルの固定方法を模索していたときにY電機のコンピューターのアクセサリー売り場で空冷ファンの固定用に売っていたのを見付けて、これは良いと思ったのだが、確か8個で320円、1個辺り40円!とあまりに高価で諦めた経緯があったが、中華街傍のジャンク街で1袋100円で売っていたものを見付けて買っておいたものである。(数えていないが、50個位は入っていたと思う)
色違いと思って買った白は今回良く見ると4mm穴用だった。(1袋100円40個位)

ペットボトルの底からの排気となるが、底は余り平らな部分の面積が取れない。
出来れば掃除機のホースに合わせたいところだが、そこまで太くすると空気漏れや強度不足になりそうなのでVP20を埋め込むことにした。塩ビ管の場合は異径ソケットインクリーザー)で径を変えることが出来るのであまり気にしなくても良いのがメリット。流石にペットの底に直接塩ビパイプを接着しただけでは強度不足なので、4インチのスピーカーの取付けで抜いた径90mmのラワン合板が有ったのでこれを貼り付けることにした。ペットボトルの底の真ん中は意外と厚く3mm位あり、25mmのホールソーで空けたが、休み休み作業しないと摩擦熱で溶けてしまうので時間が掛かった。(と言っても5分も掛からないが…)

ダストボックスには上部が割合コンパクトに出来たので、台所で見付けた梅干の容器を使ってみた。
材質は不明で割れやすそうだが、負庄で潰れることは無さそう。蓋にペットのサイクロン部分を取り付けるには強度が心配だが補強すればなんとかなりそうと探したら4mmのMDFが有ったので、95mmのホールソーで抜き補強して、ペットの蓋に穴を開けて蓋と補強材を重ねて共締めした。この容器の蓋はネジにはなっていなくて圧入のみだが、気密性はかなり良さそうだし、負庄で吸われるので気密はさらに高まるので問題無さそうだが、欠点としては若干容量が不足なのと、軽いのでホースの重みで倒れやすい。

完成して実際にトリマーを使用した際の切り粉を吸ってみると、鉢植サイクロン同様にキャップ部分の細くなった所を通過出来ずに上部で回り続けて、その内掃除機の方へ吸い込まれていってしまう。完全な失敗作である。
しかし、鉢植え同様に細くなる前でダストボックスへ招けば何とかなりそうなのは分かっていたので、ペットボトルもテーパーの部分をカットし、補強した上にダストボックスに使用したプラケースの上部の窪みとペットの外径が合ったのでそこへプッシュピンで固定した上でエア漏れ防止で接着剤を流し込んだ。

結果はパワーのある掃除機だと若干凹み気味になるが、ハンディーの掃除機では埃や猫砂なども綺麗に分離出来、掃除機には殆どゴミは行かないようになった。透明とは言っても細かいゴミを吸うとペットボトル内部に張り付くので見憎くはなるが、ゴミが回転してダストボックスに落ちていく様子は見れるようになった。

画像1

ペットボトルの中央の括れた部分をカットして上と下を使用する

画像2

塩ビシートを螺旋状に二重に巻き付けて補強

画像3

3mmのプッシュピン。ピンを押し込むと内部が広がり固定出来る

画像4

ダストボックスには台所で見付けた梅干の入れ物を流用

画像5

ペットの底は凸凹で余り面積が取れないので、排気用のパイプはVP20が限界

画像6

底には4インチユニット用にくり抜いた際の板で補強してホールソーで穴を開ける

画像7

ダストボックスの蓋は弱そうなので4mmのMDFで補強して穴を開けたキャップで共締めしたのだが…

画像8

ペットのネック部分をカットして蓋の凹みに接着して遠心力で回っているゴミを直接ダストボックスへ招く様に改造

画像9

ゴミが分離可能になり、様子も見ることが出来るようになった

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コメント一覧

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たてちゅう  投稿日時 2012/8/12 8:38

これだけ補強されるとペットボトルもうれしいでしょうね!
掃除機はどちらに取り付けるのですか?

古舘@横浜  投稿日時 2012/8/12 12:14

たてちゅうさん

何ちゅう事をしてくれるんだ!と言ってるかも知れません :p

掃除機は上から出ている排気用のパイプに繋いで、綺麗な空気のみ排気します。
横から出ているパイプからゴミを含んだ空気を吸い込んで、ペットボトルの周囲を回転しながら下のダストボックスへゴミだけを落とします。

たてちゅう  投稿日時 2012/8/12 13:21

なるほど良くわかりました!

たか  投稿日時 2012/8/21 6:01

古舘さん
ペットボトルとはジャストアイデアですね!
私は5~6年前に作ったサイクロン集塵機はステンレスの丸いゴミ箱を加工して作りましたが大きさが結構あるのでよほどの粉塵作業の時しかめんどくさくて取出して使わないです。
ペットボトル型ならデスクトップ環境で活躍しそうですね。 :-)

古舘@横浜  投稿日時 2012/8/25 2:55

たかさん、返事が遅くなって申し訳ありません。

たかさんも数年前に作ったんですね、流石情報が早いです。
確かに大きいと使い勝手が悪いですね。私も最初に作ったものはダストボックスが大きくて余り使っていません。ペットボトルは物置の作業場で活躍しています。

実は何処に行っても円筒状の物が目に入り、100円ショップで乾物ケースとして売っている2.2リッターの透明ケース買って来ました。

[添付]

トッププレートには追試で作ったエルボの物を使ってサイクロン部分、ダストボックス部分に各1個のケースを使って3台目を作りました。
結果は今までの中で性能、作り易さ、コストの安さではどれも一番で、動作を見ることも出来、一番気に入っています。

[添付]

横からパイプが出ていないので邪魔にならず、全く掃除機にはゴミが行かないし(ペットボトルでは若干漏れる)、今まで直ぐにフィルターが目詰まりして吸引力が弱くなって使えなくなっていた小型のサイクロン掃除機が生き返りました。(掃除機大嫌いの猫が臭いを嗅いでいる部分)

ホースなどを入れなければ500円以下で出来ますのでお薦めです。(余り反響もないし、しつこいので記事にしませんが、もしリクエストが有れば書きます)

でんでん虫   投稿日時 2012/8/25 4:10

写真で床に近い方の板にスピーカーを取り付けると、
中々の音のスピーカーになると思いますが、
如何でしょう。
ぜひお試しください。

エンビ管スピーカの場合でも
同様の事をやってみると
面白いです。

なーお  投稿日時 2012/8/26 11:22 | 最終変更

古舘@横浜さん

改良版のサイクロン、性能が良さそうで コスパ最高ですね! 僕ももし以前のように横浜に住んでいたら、これに誘われて作っていると思います。
何しろ、僕の作るスピーカ-は総じて粉じん撒き散らす工作ですから・・
今のところ、粉じん撒き散らしても何の問題も無い環境に来てしまったので使い出ないから作りませんけどね。 :-D

古舘@横浜  投稿日時 2012/8/26 14:26

でんでん虫さん、コメントありがとうございます。

下の板はトップヘビーで安定が良くないので、板をくり貫いて容器の下の部分を差してあるだけで、中とは全く繋がっていません。(ダストボックスと連結する蓋の部分が若干緩いので、現在はトッププレートとの間を2ヶ所輪ゴムで引っ張っています)
また、この容器は1.5mm程度の厚さで塩ビ管と比べても薄く、ポリプロピレンで柔らかいので、かなりの補強や吸音をしないとスピーカーエンクロージャーとしては使いにくいと思います。

なーおさん、羨ましいです。

私も一軒家なのでアパートなどに比べれば音や粉塵の撒き散らしに関しては若干有利ではありますが、近所からいつ苦情が来てもおかしくない状況ですので、少しでもこれで迷惑が減らせれば良いと思っています。 [worried]



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