古舘@横浜 さんの日記
STEREO誌のP-650TQWTや4インチJSPなどの製作と共に進めていた塩ビ管MCAPの改造の途中経過です。
前回のオフ会用に作ったMCAP方式の塩ビ管スピーカーは重低音はそれ程出ないが音質的には気に入っていたのだが、一番の問題点はパワーが入らない事だった。
使用したRIT SELECTのRC-80Aは3インチのフルレンジで当初はDIYのSA-F80AMGのフレームを若干変更しただけと思っていたが、実際に聴いてみるとパワーが入らない点、高域は逆に伸びている点など別物の様だ。(音質的にはRC-80Aの方が気に入っているのだが…)
そこでよりパワーの入る4インチにしたらどうなるかというのは前から思っていたが、やっと手を付け始めた。(3インチは定格10W、最大20Wだが4インチでは定格25W、最大50Wになる)
基本的な構造は変えずにユニットのみの交換になるのだが、3インチでは100-75のチーを使用していたが、4インチでは搭載不可能なので100-100のチーズに変更する。
100-100のチーズでもアルミフレームのユニットは無理なのだが、今回はTangBandのW4-937SBというプレスフレームのユニットを使用した。
このユニットはCoaxial(同軸)の2ウェイでパーパーコーンのウーファーに20mmのソフトドームを組み合わせた物である。
若干安っぽいがこれならば100のソケットに何とかマウント可能だ。
これはオークションで手に入れた物だがW4-937SFのリンクに有るように元々はリング状のネットワーク基板(緑色の部分)でウーファーとツィーターに振り分けているようだ。ウーファーの端子は通常と異なり、基板に直接半田付け出来る様に長く伸びている。ツィーターの端子はマグネットの中心からリード線で出ている。
どんなネットワーク(6dB/octか12dB/octか?クロスオーバー周波数は?)が使用されているかは全く情報が無い。
少ない情報と想像、手持ちの部品との兼ね合いでネットワークを設計する事にする。
基板をオリジナルと同じ様にリング状に作る事も出来るが、基板の板取り上無駄が多いし、スペース的に余り大きな部品は乗りそうもないので別に組む事にした。
クロスオーバー周波数はインピーダンス特性で2kHz付近が高くなっているので、その辺だと思われるが、Coaxialという事もあり、余り高い周波数ではウーファーの指向性が悪くなるので余り高くしたくない。反面、ツィーターが20mmという事で余り低い周波数ではパワーが入らなくなる恐れが有るので余り低くしたくない。
という事で、手持ちの部品との兼ね合いで3kHz付近にクロスオーバー周波数を取る事にする。
インピーダンスはテスターで測るとウーファーは8Ωだがツィーターは6Ωらしい。
能率は88dB/W/mだがツィーターはそれより高い筈だがデータが無いので、ウーファー用のLPFは8Ωで、ツィーター用のHPFは6Ωで設計を進め、必要であればアッテネータを入れる予定。
アッテネータの減衰特性はLPF、HPF共にLとCによる12dB/octにした。
画像1:構造図。ユニットを取り付けるチーズのみの変更。
画像2:使用ユニットW4-927SB。COAXIALフルレンジ、ペーパーコーンウーファー、シルクドームツィーター、ネオジウムマグネット、プレスフレーム、簡易スペックは65Hz?20kHz、8Ω、25W(l50Wmax)、88dB/W/m
画像3:ユニット後面。ネオジウムマグネットで後部の面積が小さくセンターからツィーターの取り出し線が出ているのでボルトの接着が出来ない。
画像4:構造は前回と全く同じだが、100-100チーズをストッパーから板厚分残してカットしてラワン合板12mmのリングを埋め込んでネジ止めのベースを作る。
画像5:直接ユニットをマウントしても良いのだが見栄えが悪いのでリング状のバッフルを介する。
画像6:ネットワーク部品。手持ちのコイルから使えそうな物を選ぶ。ウーファー用が0.82mH、ツィーター用が0.33mHの空芯コイル。
画像7:ネットワーク用コンデンサ。ウーファー用が6.5μFのフィルムコンデンサ、ツィーター用にはフィルムコンデンサを使いたかったが、適当な物が無く、無極性電解の3.9μFと1μFのフィルムコンデンサをパラにする。
画像8:ネットワーク回路。クロスは約3kHzのLPF、HPF共に12dB/oct。
取り敢えず、これで進めて視聴、測定で必要な変更を加える。
これはまた面白そうなユニットですね。完成が楽しみです!
KO球さん、こんばんは。
4インチの同軸は車載用以外では余り見ませんね。
多分、もう手に入らないので壊したら終わりです。
ツィーターが前面より出っ張っているので何らかの保護方法を考えています。
178TSさん、こんばんは。
車載用はその位ですか!?
ただ、どんなコンポーネントを使用しているかによってクロスは大きく変わりますから、それだけでは余り参考にはなりませんが、10cmのウーファーとしては5kHz位まで再生するのは問題無さそうですね。
TangBandのシルクドームの20mmツィーターのスペックを見ると最低再生周波数が1500Hzになっていますので、このツィーターもその位かと思います。
オリジナルは2kHzの少し上で使っているみたいですし、倍の3kHzで12dB/octならば耐入力的にも問題無いと踏みました。
まだ音出ししていないので分かりませんが、聴感上問題が有る様なら変更する予定です。
はじめまして
私はW4-937Sを使ってます。
標準で付いているネットワークをブログに乗せてます。
変更をする場合は参考にでもしてみてください。
http://bit.ly/a3Axxn (gisuke.blog.shinobi.jp)
ゲストさん、初めまして、こんばんは。
有力な情報ありがとうございます。
確かにグレードが低く、変えてみたくなるような部品が使われていますね。
スペース的に大きな部品は乗りそうも無かったので、何となく予想はしていましたが…
予想に反してクロスは4.5kHz付近みたいですね。
HPFも18dB/octだったんですね。
音質的に急峻に低域を落とす必要が有るからなのか、低域を入れ過ぎると壊れる恐れが有るからなのか気になりますが、取り敢えず今の状態で組んで聴いてみたいと思います。
大変参考になりました。