付属ユニットのスキャンスピークの4インチは裸で聴いてもなかなか素性が良さそうな音がして、何点か構想、アイデアは考えたのだが、製作に時間が掛かるので、今回のコンテストはパスする予定でいた。
ところが、次期スピーカーの検討時にツィーター用に音響レンズを作ってみると指向性が向上する上に音がまろやかになる感じがした。今回のユニットが小口径といっても高域端ではツィーターに比べれば指向性が悪くなるだろうし、若干中高域寄りの音なので、音響レンズを付ければ改善するのではないかと思ったら、俄然作ってみたくなって来た。しかし、8月も終わりになっていて9月11日の締切までは余り時間が無い。
…という事で、出来るだけ手を抜ける所は抜くというか割り切りせざるを得ない状況で作り始めた。
ボックスは小口径ユニットでは如何に低音を出すかがキモになるが、今回はスッパリ割り切って作り易い小型のバスレフとして低音再生に関しては目をつぶった。箱の塗装はニスなど、何度も塗ったり磨いたりする時間はないので、オイルフィニッシュにした。
音響レンズはツィーター用には一度作ったが、10cmフルレンジサイズをカバーする大きさにする必要があるので、節約した時間でこの製作に時間を割いた。
箱は250(H)×120(H)×150(D)の約2.5リッター程度にするつもりで物置へ材料を探しに行き、在庫の端材状況から280(H)×120(W)×146(D)の約3リッターのサイズになった。
何の変哲もない小型バスレフなので、切り出しから組み立て音出しまで1日掛からないで完成した。
音響レンズの材料には2.5mmのMDFを切り出して作った。事前にツィーター用を作ったばかりだったので、その時の失敗やその対策など、ノウハウを活かすことが出来たが、結構細かい手作業が多いので箱の何倍もの時間が掛かった。フィンは保持プレートに45°の角度で等間隔で取り付けた。
音の出入口は反射などの影響を少なくするため、テーパー状に加工しているが、これが一つ一つ手作業となるので時間が掛かった。また、保持用のプレートに接着しただけでは強度的には弱く、フィン間に端を45°にカットしたチップを作り、間に入れて補強した。これによりかなり強度が確保出来た。
指向特性の測定には正弦波が記録されたCD-Rを再生して正面(0°)と軸上30°で音響レンズの有無のデータを指向性に影響すると思われる1000Hz以上の帯域で取った。
当初、正面では音響レンズ無しの時と変わらず、軸上からズレても高域の落ちが少ないという勝手なイメージを持っていたのだが、良く考えれば、そんなエネルギー保存の法則を無視するような結果になる筈も無く、測定結果は正面でも(周波数にもよるが)かなりレベルが落ちる。しかし、軸から30°ズレた位置では逆に落ちは少ない。最初、音響レンズを付けた時にマイルドになったように聞こえたのはこの為かも知れない。
音響レンズ無しでは、正面と30°ズレた位置の高域でのレベル差がかなり有るが、音響レンズを付けると正面は下がって、30°ズレた位置が上がる事によりレベル差がかなり縮まるという事が分かった。
この効果は小型のバスレフで低域の量感が少なく中高域寄りのバランスとなっているスピーカーとマッチするみたいで、ウェルバランスとなり定位も良くなっているようだ。(余りオーケストラなどのクラシックは聴かないので定位については余り分からないのだが…)
今回のコンテストの売りは音響レンズのみで、他には居ないだろうが、少々インパクトに欠けるので書類選考で落ちる可能性が高いがどうなるでしょうか?!